政府は9日、旧朝鮮半島出身労働者問題を巡り、韓国政府に対して昭和40年(1965年)の日韓請求権協定(正式名「財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定」)に基づく初めての協議を要請した。
旧朝鮮半島出身労働者問題とは、大東亜戦争中、日本企業で働いていた韓国人やその代理人が、「強制労働させられた」と主張し、日本企業に対して賠償を求めている一連の訴訟のことである。現在、韓国では日本企業に対し、70を超える訴訟が行われていると言われる。
外務省のホームページ、原典:外務省
昨年10月30日、韓国大法院(最高裁)は新日鉄住金で働いていた韓国人4人(うち3人は代理人)の訴えを認め、1人当たり1億ウォン(1000万円)の賠償を新日鉄住金に命じる決定をした。
なお、4人は「徴用工」ではなく、求人に自らの意思で応募し働いていた。
韓国大法院(最高裁)の決定は条約違反にあたる。
日韓請求権協定では、両国及びその国民の間の請求権に関する問題は「完全かつ最終的に解決された」と確認されている。つまり、請求権を主張もすることはできない。この協定に関する紛争があれば協議によって解決するものとし、解決できない時は第三国を交えた仲裁委員会により解決することとなっている。
協議も仲介委員会も、両国が合意することが必要である。拒否した場合には、国際司法裁判所(ICJ)への提訴などを行うこととなる。
この裁判の原告代理人は昨年12月31日、
資産差し押さえの対象は、新日鉄住金が韓国内で保有する韓国鉄鋼最大手「ポスコ」との合弁会社「PNR」の株式約8万1000株で、約2000万円相当という。
政府は9日、新日鉄住金に資産差し押さえの通知が届いたことを確認、韓国に対して、日韓請求権協定に基づく協議を要請した。
外務省に
李氏は記者団に「韓日関係が大変難しい中、相互の信頼を土台に建設的な状況を管理できるよう努めないといけない」と述べた。
韓国国旗、出典:Wikipedia
今後予想される日韓の動きは以下のとおりだ。
①日韓請求権協定に基づく協議を要請
↓韓国が応じず
②日韓請求権協定に基づく仲介委員会を開催
↓韓国が応じず
③韓国を国際裁判所に提訴
韓国は「協議」に応じる可能性が高いと思われる。
ただし、政府は韓国が「協議」も「委員会 」も拒否する場合に備え、国際裁判専門の弁護士選定などの準備も並行して始めている。
韓国には日本の訴えに応じる義務がある。
・・・が今までの態度を見る限り、韓国が誠意ある対応をする可能性は極めて低いだろう。