政府四演説とは、毎年1月に召集される通常国会において、内閣総理大臣と国務大臣が行う4つの演説のことである。今国会では、
政府四演説に対しては、代表質問(各政党・会派代表者による質問)が衆議院及び参議院で行われる。
安倍晋三総理、出典:首相官邸ホームページ
安倍晋三総理は30日、衆院本会議で自民党の
安倍総理は、「本来差し控えるべきだが、私の気持ちを述べよとのことなので丁寧にお答えをさせていただきたい」と前置きした上で、改憲議論の必要性を訴えた。
安倍総理
「いまなお、自衛隊へのいわれなき批判や反対運動があるのも事実だ。これに終止符を打つために自衛隊の存在を憲法上、明確に位置づけることが必要ではないか」
この発言に、自民党議員などから大きな拍手が起こった。
情報元:衆議院インターネット審議中継
今までより踏み込んだ発言をした理由は、国民世論の喚起を狙ったものと思われる。
昨年10~12月の前国会では、主要野党が改憲議論に消極的だった。
憲法改正の流れは以下のとおりだ。6つのハードルがある。
憲法改正の原案は通常、まず衆議院に提出される。ただし、参議院に提出することも可能で、その場合には順番は逆になる。
- 衆議院が憲法改正案を国会に提出:衆議院議員100人以上の賛成が必要(参議院なら50人以上)
- 衆議院憲法審査会:メンバーは50人、過半数が賛成すれば可決、衆議院本会議に送られる
- 衆議院本会議:総議員の3分の2以上の賛成で可決、参議院へ送られる
- 参議院憲法審査会:メンバーは45人、過半数が賛成すれば可決、参議院本会議に送られる
- 参議院本会議:総議員の3分の2以上の賛成で可決、憲法改正案が「発議」、これより60日以後180日以内に国民投票を実施
- 国民投票:投票総数の過半数が賛成すれば成立。天皇が国民の名で直ちに公布、公布から何日という決まりはないが「直ちに」を国会法66条で準用すると30日以内
憲法審査会のメンバーは、衆参それそれの議員である。
自民党は前国会でも憲法改正を行おうとしたのだが、野党(維新除く)の反対にあい、憲法審査会をなかなか開くことができなかった。
今国会でも、同様のことが起きる可能性が高い。
野党(維新除く)は憲法改正を阻止するため、何らかの理由をつけ、憲法審査会に出てこようとはしないだろう。
憲法審査会が開かれる日は限定されている。
今国会での憲法改正案の「発議」は困難な状況だ。
今国会の後には、参議院選挙がある。
未来のことはわからないが、憲法改正案が「発議」されるとしたら、参議院選挙後の国会のような気がする。
しかし、参議院選挙では、改憲派が三分の二を割り込む可能性がある。
逆に、三分の二を維持できれば、憲法改正が実現する可能性は高いだろう。
今年7月の参議院選挙が、日本の運命を大きく変えるような気がする。