「日本の尊厳と国益を護る会」は23日、「皇位継承の安定への提言」を発表した。
皇位継承は男系を堅持することとし、女系は日本の歴史で一度もないため否定した。男系とは、父方の血統に天皇がいること。
具体的な安定策として、①旧宮家の男子が現皇族の養子又は女性皇族の婿養子となる案、②旧宮家の皇籍復帰案、の2つを提案した。
提言は、11月中旬の大嘗祭(だいじょうさい)が終了後、安倍晋三総理に直接手渡す予定。
日本の尊厳と国益を護る会は、自民党の保守系議員グループ。略称「護る会」。
代表幹事は青山繁晴(あおやま・しげはる)参議院議員。令和元年10月23日現在、衆参44人の議員が所属している。
目標としている政策は、①男系皇位継承、②外国資本による土地買収の拡大防止、③「スパイ防止法」の制定、の3つ。
「皇位継承の安定への提言」はまず、昭和20年から74年間、天皇陛下や皇室の存在意義を、学校で教えてこなかったことに問題があるとした。
皇統(天皇の血統)は 男系継承(父方の血統に天皇がいること)であり、初代より126代まで、2000年以上にわたり受け継がれている。今上陛下も、父方の血統を辿れば、初代神武天皇まで繫がっておられる。
この伝統は、日本国の根源として、護り抜かねばならないと指摘した。
女性天皇は、過去に8人(10代)いらっしゃった。もちろん、父方の血統に天皇がいる男系であらせられた。しかし、全員、即位後は結婚をせず、御子(天皇の子)もおもちにならなかった。現代の基準では如何なものかと疑問を呈した。
女性天皇が皇統に属していない男性と結婚し、その御子が即位すれば女系天皇となる。母方の血統に天皇がいることになるが、そのようなことは今まで一度もない。
もし女系天皇を認めれば、皇室は終わる。異質の王朝(皇室)、すなわち神武天皇から受け継ぐ祭り主ではなくなる。女系天皇は天皇とはいえない。
現在、皇位継承者は3人(秋篠宮皇嗣殿下、悠仁親王殿下、常陸宮親王殿下)しかいらっしゃらず、うち、次世代の継承者といえるのは、悠仁親王殿下だけである。
数10年後に悠仁親王殿下が即位され、そのあと男子がお生まれにならなければ皇位継承者が絶える怖れがあると危惧した。
提言は具体的な安定策を2つ提言した。
ひとつは、旧宮家の男子が現皇族の養子又は女性皇族の婿養子となる案。お生まれになる子が即位されても、男系継承を満たすことができる。婿養子となられる場合には、旧宮家の男性がご当主となり新しい宮家を創設することもあり得る。
もうひとつは、旧宮家の皇籍復帰案。昭和22年、GHQは昭和天皇の弟君の宮家以外の11宮家51人の皇族をすべて、強権を持って皇籍離脱させた。このうちのいくつかを、皇籍に復帰させるというものだ。政府機関の非公式な調べによると、10代で5人、20代前半で2人の皇位継承者たり得る男子がいる。
両案は、現在の皇位継承順位は一切変えないことが前提。当然だが、養子や婿養子、皇籍復帰には、ご当人の了承が必要である。
手順には、皇室典範を改正する案と、特例法の制定を行う案があるとした。
天皇の権威は世界最高である。
天皇は世界から皇帝と認識されており、王や大統領より格上の存在である。
そして、世界一長く続く王朝(皇室)である。もし男系継承が途絶えたら、この権威は無くなってしまう。
多くの国民が天皇・皇室について正しい知識をもつことが必要である。
それができれば、自ずと答えも出る。