国立感染症研究所は28日、「インフルエンザ流行レベルマップ」の令和2年第8週(2月17~23日)の情報を公表した。
令和元年第36週~令和2年第8週までのインフルエンザ累積患者数は約695万人だった。
前シーズン同週の約1108万人に比べ、400万人以上減少した。
インフルエンザ流行レベルマップ、令和2年第8週(2月17~23日)、原典:国立感染症研究所
国立感染症研究所は毎シーズン、11月~5月にかけ「インフルエンザ流行レベルマップ」というものを公開している。
全国約5000のインフルエンザ定点医療機関を受診した患者数を週ごとに集計し、この情報を元に国内におけるインフルエンザ患者数を推計している。
なお、インフルエンザの流行は例年11月下旬から12月上旬にかけて始まり、1月下旬から2月上旬にピークを迎え、3月頃まで続く。
令和2年第8週(2月17~23日)の定点当たり報告数は6・12(患者報告数30,192)となり、前週の7・49より減少した。
都道府県別では、北海道(16.31)、石川県(13.00)、大阪府(10.98)、岩手県(8.95)、愛知県(8.81)の順。2県で前週より増加し、45都道府県で減少がみられた。
定点医療機関からの報告をもとに患者数を推計すると約20・2万人(95%信頼区間18.2~22.2万人)となり、前週の約26・3万人より減少した。年齢別にすると、0~4歳が約2.1万人、5~9歳が約7.4万人、10~14歳が約4.9万人、15~19歳が約0.9万人、20代が約0.8万人、30代が約1.4万人、40代が約1.2万人、50代が約0.7万人、60代が約0.5万人、70代以上が約0.5万人。
また、令和元年第36週以降これまでの累積の推計受診者数は約695・4万人となった。
今シーズンのインフルエンザ累計患者数は、1月上旬までは前シーズンより多かった。
しかし、ピークを迎える1月下旬から2月上旬には増加がみられなかった。この間の患者数は概ね前年の半分以下だった。
理由は2つ考えられる。
1つは、12月末から1月末にかけ国内の湿度が高かったこと。ウイルスは低湿度ほど増殖する。
もう1つは、武漢から広がった SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)の影響。1月16日に国内で最初の感染者が確認されたことにより、例年以上に手洗い等の対策が徹底して行われた。新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスの予防法はほぼ同じ。
毎シーズン、国内におけるインフルエンザ感染者は1000万人以上いると言われている(研究者により見解の違いあり)。
インフルエンザ対策(ウイルス対策)の必要性を、国民に周知させるべきではないのだろうか?
感染者を半分まで減らすことができたら、かなりの国益になる。