「新型インフルエンザ等対策特別措置法の一部を改正する法律案」が13日、参議院本会議で賛成多数で可決、成立した。
同日夜に公布され、14日から施行された。
新型インフルエンザ等対策特別措置法、略称「新型インフル特措法」の一部が改正され、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)も暫定措置として、同特措法の対象とすることが可能となった。
政府は、新型コロナウイルス感染症を令和3年1月末まで、新型インフル特措法の対象とする政令を決定した。
新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐため、総理大臣が「緊急事態宣言」を行い、都道府県知事が外出の自粛や学校の休校などの要請や指示を行うことができるようになった。
「新型インフルエンザ等対策特別措置法の一部を改正する法律案」の採決結果、原典:参議院インターネット審議中継
現在、国内の政党(政党助成法上の政党要件を満たしている政治団体)は9つある。各政党の賛否は以下のとおり。
「新型インフルエンザ等対策特別措置法の一部を改正する法律案」の各政党の賛否
反対した参議院議員は計18名。日本共産党の13名、れいわ新選組の2名のほか、高良鉄美議員、嘉田由紀子議員、ながえ孝子議員が反対した。
立憲民主党、国民民主党、社民党は政党としては賛成した。しかし、採決を前に、石垣のりこ議員(立憲民主党)や足立信也議員(国民民主党)、福島みずほ議員(社民党)ら6名が退席した。
自民党、公明党、日本維新の会、NHKから国民を守る党の参議院議員は、全員賛成した。
情報元:新型インフルエンザ等対策特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付):本会議投票結果:参議院
特別措置法を担当した西村康稔(にしむら やすとし)経済再生担当大臣は「野党の協力もいただき、迅速な審議・採決に至ったことに感謝申し上げたい」と野党に謝意を表明。
「万が一、感染が拡大し、国民の生命を守らなければならなくなった時のための措置が取れるようになった」と述べた。
また、国民の権利の制限に対する懸念があることについては「必要最小限となるようにするという非常に重い規定があり、常に頭に置いて運用しなければならないと肝に銘じている。特に専門家の意見を聞くことが大事だ」と述べた。
自民党の世耕弘成(せこう ひろしげ)参議院幹事長は「危機的な状況に対応する上で、非常に重要な特別措置法だ」とし、特措法成立を評価した。
「全く望まないが、万が一、事態が拡大してきた場合は、非常に強い対応をとることができるようになった」とも述べた。
公明党の山口那津男(やまぐち なつお)代表は、「法的枠組みが速やかに整備され、よかった。しかし、議論の過程で、私権の制限に結び付くことに対する不安や懸念も示されたので、政府として、適用しないで済むよう、感染拡大の防止を図ってもらいたい」と述べた。
国民民主党の玉木雄一郎代表は「求めたことがかなり付帯決議に盛り込まれたので賛成した」と一定の理解を示した。
その上で「付帯決議の内容が守られるかどうか、政府を厳しく監視したい」と述べた。
立憲民主党の福山哲郎幹事長は「政府には『現行法の適用で迅速に対応しろ』と言ってきたが、政府は『適用できない』と言い、きょうの成立となった。政府はこれまで非常に遅い上にまずい対応を重ねてきた」と政府を批判。
その上で「緊急事態宣言を出すなど法律を運用するにあたっては、しっかりと根拠や理由を説明する責任がある」と述べた。
共産党の小池晃書記局長は、「緊急事態宣言を出す際に専門家の意見を聴くための条文がないなど、質疑で、さまざまな問題が明らかになる中、可決・成立させられてしまったことは、大変、遺憾だ」と反対を表明。
その上で「私権の制約など、恣意的(しいてき)な運用がなされないよう厳しく監視していきたい」と述べた。
情報元:新型コロナウイルス対策の特措法 成立 「緊急事態宣言」可能に | NHKニュース
特措法に反対するのはいい。
しかし、新型コロナウイルス感染症が拡大した際、今までの法体系で本当に大丈夫なのだろうか?
最優先されるべきは、国民の生命と安全である。