平成27年(2015年)4月22日、東京都千代田区の首相官邸屋上に、放射性物質を搭載した小型無人飛行機(ドローン)が落下していたのが確認された。
死者、けが人はいなかった。
犯人は福井県在住で当時40歳の男性。動機は「反原発を訴えるため」だった。
犯行に使用されたドローン、犯人のブログより
平成27年4月22日午前10時20分頃、官邸職員が偶然、屋上のヘリポート付近でドローンを発見した。すぐさま、警視庁に通報した。
ドローン侵入や不審者の目撃情報はなかった。けが人や建物等の破損は確認されなかった。犯行声明もなかった。
翌々日の24日、男が「ドローンを官邸に飛ばした」と福井県警の小浜警察署に出頭。威力業務妨害容疑で逮捕された。
犯人は山本泰雄。福井県小浜市在住で当時40歳。高校卒業後、航空自衛隊に入ったが辞めて実家に戻った。その後、再就職したが、辞めて無職だった。
ドローンを官邸へ飛ばしたのは「反原発を訴えるため」だったと言う。山本は「官邸サンタ」と名乗り、犯行の様子を自らのブログにアップしていた。
山本は4月9日の午前3時半ごろ、ドローンを官邸内へ飛行させた。容器の中には「福島の砂100g」を入れたと言う。
この砂からは、セシウム134とセシウム137由来の放射線が検出された。放射線量は最大で毎時1.0マイクロシーベルト。都内の放射線量の約20倍の強さだが、人体に影響はないレベル。
山本には、懲役2年、執行猶予4年、ドローン没収の判決が言い渡された。
首相官邸無人機落下事件を機に、国会議事堂や首相官邸、原子力関連施など国の重要施設上空は、ドローン等の飛行禁止区域となった。
その後、自衛隊と米軍施設上空も飛行禁止区域に追加された。
ドローンを使ったテロは世界中で起きている。ドローンの規制は当然であり、日本は遅いくらいだ。
しかし...
我が国の議員には、知る権利が侵害されるとし、ドローンの規制に反対している議員が多い。
立憲民主党、日本共産党、社民党は、自衛隊と米軍施設上空をドローンの飛行禁止区域にする法律に反対した。
これが我が国の現状である。