厚生労働省は7日、レムデシビル(商品名:ベクルリー点滴静注液100 mg、同点滴静注用100mg)について、新型コロナウイルス感染症の治療薬として特例承認した。
新型コロナウイルス感染症の治療薬が国内で承認されたのは初めてで、使用は重症患者に限定される。
情報元:レムデシビル製剤の使用に当たっての留意事項について | 厚生労働省
レムデシビルは、米国の製薬会社「ギリアド・サイエンシズ」が開発した点滴薬。
同社日本法人は今月4日、審査を大幅に簡略化する「特例承認」を活用した申請を行い、わずか3日で承認となった。
当面、日本での処方分は無償提供。
新型コロナウイルス感染症の治療薬として承認された「レムデシビル」、ギリアド・サイエンシズ提供
レムデシビルには、新型コロナウイルスが上気道(呼吸器のうち、鼻から鼻腔、鼻咽腔、咽頭、喉頭まで)で感染し、細胞の中に入り込んだあと、増殖するのを防ぐ作用があるとされる。
新型コロナウイルスは、感染者の細胞の中で、自らの「RNA」という遺伝子をコピーして増殖する。レムデシビルには、このRNAのコピーを阻害する作用があるとされる。
用法・用量は、成人や体重40kg以上の小児には、投与初日に200mg、2日目以降は100mgを1日1回点滴静注する。
体重3.5kg以上40kg未満の小児には、投与初日に5mg/kg、2日目以降は2.5mg/kgを1日1回点滴静注する。
総投与期間は10日まで。
重大な副作用は、急性腎障害と肝機能障害。
このため、腎機能や肝機能を毎日検査し、患者の状態を十分観察する必要がある。
ギリアド・サイエンシズの施設で瓶詰めされる「レムデシビル」、ギリアド・サイエンシズ提供
日本の製薬会社が開発したインフルエンザの治療薬「アビガン」にも、レムデシビルと同様に、ウイルスがRNAをコピーするのを阻害する作用がある。ただし、重症患者には効果が薄い。
アビガンも今月末には、新型コロナウイルス感染症の治療薬として承認されるとみられる。
ここからは筆者個人の見解である。
新型コロナウイルス感染症の治療薬は、アビガンがメインになるだろう。
重症化した場合にはレムデシビルを使用することになるが、現時点では14万人分しかなく、ほとんどは米国で使われるだろう。
レムデシビルが使用される事は少ないだろう。
どちらにしろ、私たちがすべき事は同じである。
まず手洗い。疲れも溜めない方がいい。人が集まる場所に行くのも避けるべきだ。
自分が感染していた場合、感染を拡大させないため、マスクもする必要がある。
自分勝手な行動をする人間が多ければ、それだけ、新型コロナウイルス感染症は拡大する。