日産自動車は28日、令和2年3月期の連結決算を発表した。
・連結売上高9兆8789億円(11兆5,742億円)
・連結営業損益 -405億円(3,182億円)
・当期純損益 -6712億円(3,191億円)
注:カッコ内は前期実績
連結決算とは、親会社だけでなく、子会社や関連会社を加えたグループ全体の決算。
親会社のみの決算より実態を表している。世界中の上場企業は、ほぼ全て、連結決算を行っている。
日産自動車グローバル本社(横浜市)、原典:Wikipedia
新型コロナウイルス感染症の影響により、連結売上高は前期比14・6%減。本業のもうけを示す連結営業損益も赤字に転落した。
当期純損失は6712億円。日産自動車の最終赤字は、リーマン・ショック直後の平成21年3月期以来、11年ぶり。
今回、構造改革費用と減損損失に6030億円(減損損失は5,220億円)を計上したため、当期純損失が膨らんだ。つまり、日産自動車は損切りをした。
日産自動車の課題は、過剰な生産能力。
令和6年3月までに、世界の生産能力を2割削減し年540万台体制にする。
インドネシアの工場を閉鎖するほか、スペインの工場も閉鎖に向けて関係者と協議を進める。
今後は、日本・支那・米国の3市場に集中する。
韓国での販売は、今年いっぱいで撤退する。
内田誠社長は記者会見で、「失敗を認め、正しい軌道に修正する。選択と集中を徹底し、構造改革を断行する」と述べた。
ネットを見ると、今回の日産自動車の決算に関しては、否定的な意見ばかりだ。
しかし、筆者をそうは思わない。評価できる点と、できない点がある。
評価できる点は、損切りをしたことである。
当期純損失の9割以上は、構造改革費用と減損損失である。これは簡単なようで難しい。個人ですら、塩づけになった株や、FXの評価損を損切りできないのだから。
評価できない点は、本業の車に魅力がなくなってしまったことである。昭和の時代と比べて、何かが変わってしまった。
これらは完全に筆者の主観であるため、間違っている可能性も高いが。
商売は信用が最も大切である。そして、それを得るのは容易なことではない。
これは、私たち個人にも言えることだが。