兵庫県病害虫防除所(加西市)は28日、カメムシが大量発生しているとして、同県全域に病害虫発生予察注意報を出した。
対象作物は、桃や梨、柿などの果樹類。
例年を大幅に上回る数が確認されており、ピークは5月下旬~7月下旬になると予想される。
チャバネアオカメムシの成虫、出展:あれも見たいこれも見たい 備忘篇
カメムシとは、カメムシ目・カメムシ亜目に含まれる昆虫の総称である。
頭は先端が尖った三角形で、後ろにいくにつれ胴体は細くなっていく。全体はおおよそ五角形の底を引き伸ばしたような形をしている。
強烈な悪臭がある。主成分はトランス-2-ヘキセナール、又は、ヘキサナール。手や服についてしまうと、洗っても簡単には取れない。
カメムシには1000以上の種類がいる。国内では90種類以上が確認されている。
今回大量発生したのは、チャバネアオカメムシとツヤアオカメムシである。共に、桃や梨などの果樹類に、甚大な被害をもたらす種類である。
兵庫県病害虫防除所は同所内で4~5月にかけ、フェロモントラップ(誘引剤を使い捕獲する仕掛け)により、カメムシを捕獲する調査をした。
その結果、チャバネアオカメムシ1024頭(過去5年の平均値193.4頭)、ツヤアオカメムシ99頭(同平均値4.9 頭)を捕獲した。
例年と比べ、極めて多い数だという。
朝来市での調査でも、チャバネアオカメムシが例年の3倍以上、捕獲された。
兵庫県病害虫防除所は、同県内の桃や梨などを生産する農家に対し、見回りの強化や早めの袋掛けを推奨している。
また、カメムシの発生や被害を確認した際には、すみやかに薬剤による防除を行うよう求めている。
情報元:令和2年度病害虫発生予察注意報 第1号「果樹カメムシ類の発生状況と防除対策」について | 兵庫県病害虫防除所
今年はこれから気温が高くなるにつれ、全国的にカメムシが発生しやすい状況にある。
もし見つけた際には、においを発する前に刺激を与えずに駆除する必要がある。確実なのは、殺虫剤による駆除である。
筆者は以前、カメムシを掃除機で吸い、掃除機の廃棄で部屋中が臭くなった経験がある。
カメムシを甘くみてはいけない。