第26回気候変動枠組条約締約国会議(COP26)が、2021年10月31日から11月13日にかけ、英国・グラスゴーで開催された。
最終日に採択された合意文書には、産業革命前からの「世界の気温上昇を1.5度に抑える努力を追求する」と明記された。
石炭火力発電については「段階的な削減へ努力を加速する」とした。
2015年のパリ協定では、産業革命前からの世界の平均気温上昇を2度未満に抑え、できれば1.5度未満を目指すとされている。
今回のCOP26で「気温上昇1.5度未満」が事実上、世界の目標となった。
実現は可能なのだろうか?
世界の年平均気温偏差の経年変化(1891〜2020年)、出典:気象庁
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によると、産業革命前と比べ、2011~2020年の平均気温は約1.09度上昇したという。
あと0.4度ほどしか猶予がない。
各国が公表している「2030年削減目標」の上限量を排出した場合、2030年前後には1.5度上昇すると予測されている。2050年前後に2度上昇。
2020年の二酸化炭素排出量(単位:100万トン)
・支那 9,893
・米国 4,432
・インド 2,298
・ロシア 1,431
・日本 1,026世界計 31,983
世界の二酸化炭素排出量の3割弱は、支那が排出している。だから、地球温暖化は支那が本格的な対策をしないと解決しない。
支那は「2030年までに二酸化炭素排出量を減少に転じさる」としている。恐らく、今後数年間の排出量は変わらないか、下手をすれば増える。
2020年の電源構成に占める石炭火力の割合は、支那が約63%。インドは68%、日本は31%。石炭火力の割合が5割を超えている国は、いくつかある。
産業革命前からの「世界の気温上昇を1.5度に抑える」のは不可能である。
COP26の合意文書には、なぜ、このように明記されたのか。
恐らく、騒いでいる連中に配慮したのだろう。
地球温暖化に対する考えは、人それぞれだ。石炭火力の即廃止を主張する人もいるし、何もしなくていいという人もいる。
ただ、筆者は「出来ない約束はすべきではない」と考える。